北海道自然観察協議会は自然観察指導員の集まりです。

北海道自然観察協議会

 

会員研修会


 会員向け全道研修会は、2018年6月4日「中頓別鍾乳洞公園(枝幸郡中頓別町)」~6月5日「北海道大学天塩研究林(幌延町問寒別)」で開催しました。
観察コースは、「宗谷自然学校(中頓別町)・中頓別鍾乳洞公園(中頓別町旭台)」~各種6月期の植物、石灰岩鍾乳洞・奇岩(軍艦岩) 」と「北天塩研究林~テシオコザクラ・オゼソウ(テシオソウ)群生地」の2コースでした。


 6月4日(月)、天気晴れ。昭和8年北海道で最初に発見された中頓別鍾乳洞は、石灰岩に貝殻片(ホタテ貝やフジツボ類)が密集して出来た約一千万年前の地層の中に発達した鍾乳洞である。確かに鍾乳洞内の気温は12度ほどで冷気が感じられ、岩肌には貝化石片が多数見られた。貝殻石灰岩は溶食(浸食)を受けやすく、観察路内にはドリーネと呼ばれるすり鉢状の窪地があり、地下水となって鍾乳洞につながる地表水(雨水他)の入口となっているのが観察できました。


 次に園内では地殻変動で隆起した石灰岩が長い年月をかけて溶食を受け、軍艦岩と呼ばれる硬い部分が残った見事な巨岩があった。その岩肌には水流の浸食が痕跡として残っていました。 また、観察路には、エゾノリュウキンカ,エゾノレイジンソウ,オクエゾサイシン,マムシグサ,アオチドリ,ハクサンチドリ,ルイヨウショウマ,クルマバツクバネソウ,エゾワサビ,オオバタケシマランなど花をつけたものも多く、種々の植物を観察できました。


中頓別鍾乳洞
頓別鍾乳洞
中頓別鍾乳洞
軍艦岩前
中頓別鍾乳洞
アオチドリ

 6月5日(火)、天候に恵まれ、アカエゾマツ林が広がる知駒岳を望みながら道々785号線を進み、北大天塩研究林入口に到着。


 次に天塩川水系パンケルペシュペ川を渡り、歩道入口から1.6km程川沿いを進んでテシオコザクラとオゼソウ(テシオソウ)の群生地に到着。開花のピークは過ぎていたが、咲き残っていたテシオコザクラやオゼソウを堪能することができた。それらは日射しを避けるように、河川付近の蛇紋岩質土壌の斜面崩壊地に群生していました。


 歩道沿いでは、蛇紋岩地域特有種も含め、アポイタチツボスミレ,エゾミヤマクワガタ,アカミノイヌツゲ,コヨウラクツツジ,イソツツジ,ハクサンチドリ,ワラビ,シロウマアサツキ,ツバメオモト,ミツバオウレン,ヒメナツトウダイ,エゾタカネニガナなどを観察できました。


 また、テシオコザクラ群生地の河原では、暗緑色の新鮮な蛇紋岩が多く見られ、磁鉄鉱の鉄分やマグネシウムを多く含むことから、持参した紐につるした磁石がよく吸い付きました。

手塩研究林
テシオコザクラ
手塩研究林
オゼソウ
手塩研究林
群生地で
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