北海道自然観察協議会は自然観察指導員の集まりです。

北海道自然観察協議会

 

2025年5月の行事一覧

赤岩・オタモイ 観察会

開催日 2025年05月11日(日)
観察地 小樽市 オタモイ海岸自然探勝路
テーマ
参加者;一般参加者4名 指導員6名
前日から当日朝まで雨が降り、風も強くて集合場所のコンビニ前で参加者の皆さんを待っている時は寒いほどでした。昼過ぎまでかかる長丁場のため、予め行動食やトイレなどを済ませたらいいですよと指導員が声掛けします。
今回歩くコースは「ニセコ積丹小樽海岸国定公園」に指定されているエリアの一部です。日本海をバックに大岩壁に挑むロッククライミングで人気の赤岩からオタモイ海岸へと、海面へ数百m切れ落ちた断崖絶壁が続きます。もちろん絶壁のキワは歩きませんが、途中のビューポイントでは日本海の大海原に岬が出っ張ったり湾で引っ込んだり、幾重にも変化しながら続く積丹半島の素晴らしい地形景観を見ることが出来ます。 絶景を楽しみに、さあ出発です。
赤岩側の探勝路入口へ着くと小雨が降ってきました。森の中は霧に包まれています。皆さん早めにレインウエアを着ましょうかと声をかけたリーダー役の指導員は、体が濡れて風に当たることにより低体温症のリスクもあると考え、行動中常に参加者の様子に気を配っていました。幸い、森の中は雨風さほど当たらず、むしろ暑くて霧と汗で眼鏡が曇ります。
ぬかるみで転ばない様足元に集中していた視線をふと、上げました。「……。」 雨の新緑の森の美しさに言葉を失いました。「シーシーシーシーシ」 「今、ヤブサメという鳥が鳴いていますよ。」指導員が案内すると「『秋の虫の声』みたいだけど鳥の鳴き声なんですね。」皆さん立ち止まり耳を澄ませます。白い霧で包まれた森の中に「ボボ…ボボ…」ツツドリの声が響きます。
「ビーッビビツ!」樹木をドリミングしていたコゲラです。ヤマガラ・ウグイスの声も聴こえます。雨の森で、生き物は活発に活動している様子です。

吉田 陽子

緑色凝灰岩(green tuff)
岩石の表面が緑色に見えるのは、火山活動の熱水 による変質作用を受けたためです。今から約1500万年前に起きた激しい海底火山 噴火の中心地だった赤岩・オタモイの地質の成り立ちを、ここにも垣間見ることが出来ます。

イワガラミとツルアジサイの違いを案内中

ヒメイチゲ

オクエゾサイシン

つる性植物・茎巻き付型

気根型

ハリギリの棘

ホオノキ冬芽
2025年5月11日