北海道自然観察協議会は自然観察指導員の集まりです。

北海道自然観察協議会

 

2009年9月の行事一覧

2009年度全道研修会有珠山

開催日 2009年09月05日(土) ~9月6日(日)
観察地 伊達市 有珠湾周辺および有珠山銀沼火口
テーマ 火山とともに歩んできた自然と人間の歴史に触れよう
有珠山および有珠湾周辺の地形・地質は、火山活動によって特徴付けられています。

約2万年前に形成された高さ700~1000mほどの成層火山は、7~8千年前に山頂部が大きく崩れ、噴火湾方面になだれ込みました(善光寺岩屑なだれ)。

その結果、崩れた大小さまざまな岩石は多くの小丘を作り、起伏に富んだ地形と海岸線を形成しました。

その後長い静穏期をへて、1663年に大規模な噴火がおき、それ以降はほぼ数十年ごとに火山活動を繰り返し、最近では1977~78年、2000年に噴火しています。

一方、有珠地区には多くの遺跡が残っており、縄文時代早期から人々が定住していたことがわかっています。

人々と火山との深いかかわりもまた、この地域の特徴になっています。

今回の研修では、1日目には「善光寺岩屑なだれ」によって形成された地形をアルトリ岬から概観し、善光寺では岩屑なだれが生みだした豊かな自然を観察しました。

また岩屑なだれでできた丘に作られたチャシ(アイヌの砦)やバチラー夫妻記念堂、善光寺地蔵堂を見学して、アイヌ民族と地域のつながりについて学びました。

宿舎では、翌日の研修に向けて、有珠火山の模型と岩石標本を使った丁寧な解説を受けました。

2日目は通常は立ち入り禁止になっている銀沼火口を中心とした有珠火山の核心部分に入り、噴火の経過を学びました。また噴火後の植物の進出の様子についても観察しました。

悪天が心配されましたが、2日間ともまずまずの天気で、また講師の安藤さん、福田さんの周到な準備と解説で充実した研修会になりました。

有珠駅での説明
縄文海進について

巨岩に根を張った樹木
善光寺での観察

模型を使って
有珠火山の経過説明

火口原から見る小有珠

火口原に根付いた
イタドリ

記念撮影
火口にて
2009年9月5日