北海道自然観察協議会は自然観察指導員の集まりです。

北海道自然観察協議会

 

2022年7月の行事一覧

「蘭島海岸と忍路」観察会

開催日 2022年07月03日(日)
観察地 小樽市 蘭島海岸から忍路峠(観音峠)を経て忍路湾
テーマ 蘭島海岸の海浜植物等や忍路の 海底火山の噴火の跡を観察します
参加者  一般 12名、指導員 6名 
天候   晴れ、忍路湾で時々強い風あり

小樽市の最高気温31度を記録した中、参加者が熱中症などの体調不良を起こさないように配慮しながらの観察会でした。トイレがスタート地点と、途中の蘭島海水浴場の有料トイレしかないため、水分摂取控えが心配で都度飲水の声掛けをしながら進行しました。
ハマヒルガオ・コウボウシバ・コウボウムギ・オニハマダイコン・オカヒジキ等、過酷な環境で生きる海浜植物の特徴を観察しました。海水浴場終点から忍路へ向かう観音坂へ入ると樹木の木陰が気持ちよく、峠の頂上付近で振り返ると蘭島の海岸や余市シリパ岬、遠く積丹方面の半島が見渡せました。峠途中でイチゴ栽培農家の方のご厚意で畑に入らさせて頂き、希望する参加者の方が(100円の自己負担で)イチゴ狩りを楽しみました。自宅でのイチゴの栽培方法を尋ね地元農家の方と交流している方もいました。採りたての甘いイチゴが美味しかったとの感想が聞かれました。
  コース上ではキク科の頭花の特徴をブタナで観察、エンレイソウ・オオウバユリ・ヤマグワ・ミツバアケビ・マタタビ・スモモ・ミゾソバ等を観察。忍路湾では、海底火山に由来する枕状溶岩やハイアロクラスタイトについて指導員から説明しながら観察。忍路が1000万年前~500万年前の海底火山活動の中心地であったことに思いを馳せ、国際的にも大変貴重な地質を間近で観察しました。
反省点の一つは熱中症を警戒する余り、炎天下の海水浴場での植物観察時間を短くした結果、忍路神社の神輿が手漕ぎ船に乗り、湾内を一周する正午まで一時間余り早く忍路湾に到着してしまった事。暑い中時間まで待って見学された方はおらず、皆さん早々に帰宅されました。

報告者  吉田 陽子
2022年7月3日