北海道自然観察協議会は自然観察指導員の集まりです。

北海道自然観察協議会

 

2018年7月の行事一覧

「浮島湿原と白滝黒曜石」観察会

開催日 2018年07月22日(日)
観察地 滝上町 浮島峠付近(国道273号)、天狗平展望台・白滝市街(埋蔵文化センター他)
テーマ 夏の秘境・浮島湿原観察と白滝ジオパーク(GP)巡検
観察1.午前中は浮島湿原林間歩道~火砕流露頭から湿原基盤地質、エゾマツなど主なマツや倒木更新跡、クマゲラの食痕やシラカバの葉巻オトシブミ、ヒカゲチョウ幼虫による笹の葉の食痕、地衣類として相利共生するサルオガセなどを観察、歩道脇ではゴゼンタチバナ・イワツツジ・オガラバナ・ヒカゲノカズラ・ハナゴケなどを観察。                                     2.湿原内観察~ルリイトトンボ・カオジロトンボなどが池塘の水辺付近に飛来し、羽化殻も観察。下見時とは位置を変え、池塘内を移動する浮島を確認。浅い池塘にはエゾヒツジグサが繁茂していたが、水深の深い池塘(水深1.5m以上)には見ることが出来なかった。木道脇ではモウセンゴケ・ミズゴケ類・クロゴケ・クロウスゴ・アカミノイヌツゲ・イソツツジ・ハナヒリノキ・アカエゾマツ・チングルマ・タチギボウシ(蕾)・トキソウ(満開)などを観察。因みに、湿原内の標高の低い(数m程)位置にある東ノ沼・東大沼周辺では、エゾアカガエルの幼生を観察。その他、湿原内の野鳥の鳴き声の聞き分けや池塘の出来るしくみを知り、PHパックテストで池塘水の酸性度を確認(PH4.6~5.0)。更に、泥炭の厚さと堆積速度から湿原の変遷を推定。                                               3.午後からは白滝ジオパーク~遠軽町埋蔵文化センター内で、白滝遺跡群出土品(今から約30.000~12.000年前の後期旧石器時代)について、担当学芸員の案内を受けた。気候の激しく変化する時代にあって、狩猟文化を支えた石器製作の原材料である黒曜石の特徴や採石・加工製作技法・分布などについてレクチャーを受けた後、黒曜石露頭(あじさいの滝)麓の水系河原で黒曜石を観察し、流紋岩としての黒曜石について堆積のしくみを学んだ。   

白滝GPあじさいの滝麓黒曜石

浮島湿原池塘

浮島湿原大沼周辺

浮島湿原東大沼へ

白滝GPあじさいの滝麓河原前

浮島湿原ミズゴケ類
2018年7月22日